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「abfraction : 力の負荷によるたわみがエナメル質の破壊、象牙質やセメント質の微小破折につながると考えられている(歯周病学用語集)」
これ本当か??
症例: FV. '01 1 45y M 重度歯周病(治療経過は省略,ナイトガード使用中) いわゆる歯周補綴のmaintenanceで経過観察中、21,24の歯頸部の欠損が進行、13 12 43は著変なし。
咬合性外傷の要素が強いのなら上前歯のアタッチメントロスの進行、あるいはフレアアウトを起こすのではないか(クロスアーチスプリントではなく、前歯部臼歯部は連結なし)。ブラッシングによる磨耗では??
8年経過後となる'10、根面に窩洞形成はせず、洗浄後プライマー処理のみでCRを流し込んだ。歯ブラシの選択、ブラッシングの方向を再確認、修正を指導。さらにその後の経過観察は、、、
~'16、わずか6年の短期間ながら、歯頸部の欠損は停止しているように見える。
オーストラリアで侵襲性歯周炎の疑いとの診断で当院で歯周治療後順調にメインテナンスに移行、現在ロンドンに在住のMさん(2010 10.6記事「世界は狭い!?」https://www.makino418.com/blog/cat6/cat501/)が、他の用事で帰国されたとかで来院されました。
昨年9月に続き、当院へは一年に2度くらいのペース。現在は炎症は充分にコントロールされていて安定していますが、歯冠歯根比が悪く油断は禁物、定期的なメンテナンスは絶対必要。何かの折に当院へ来られるのは大歓迎ながら、ぜひ当地でのかかりつけメンテナンスを強くお勧めしていることは当然です。今回はBritishAirwaysの直行便で激安五万数千円のチケットが取れたんだそうです。フライトは11時間、ロンドンの自宅から当院まで24時間あれば来られるからたいしたことはないんだそうです。イギリスで歯科を受診するとバカ高いんだそうですが、(日本の国保で)当院でのご本人の負担はごくわずか。こんな話をきけば一年に2度や3度おいでいただくのもアリかな、なんて思ってしまいました。アメリカと当院でメインテナンスを継続しているLさんも異口同音「世界のなかで日本の歯科は安い」にアメリカ、イギリス、オーストラリアよりゃずっとハイレベルな日本の歯科医としては大変複雑な思いです。Take care of yourself!
富山市出身でオーストラリア在住のMさん(30代女性)からメールが届いたのは1年ほど前のことでした。「オーストラリアで歯科に受診したら侵襲性歯周炎の診断でこれは難しい治療になる、といわれた。11月に富山に帰省するのでその間になんとかしてもらえませんか?ただし2カ月間のみでその後はロンドンに移り住む」というのです。「おいおい、ちょっと無理では?歯周治療はそんな短期じゃ終わらない、ましてほんとに侵襲性~だとしたらきっと一筋縄ではいかない。でも早く診たいなあ、い~っ、ってやって写メで口元の写真撮って送ってみて~。レントゲンをもらたのならついでにそれも」
そしてその後'0911月に来院しました。全顎デンタル撮影です。
たしかに上11と下66に垂直性骨欠損があってPD8~9mm.とはいったものの侵襲性~だろうが成人性Pだろうが治療の仕方はそうかわらない、時間はないからできるところまでやるしかありません。ということでこれは特例、富山市の実家から毎日来院していただき、突貫工事でしたが、1月末までに帳尻を合わせました。出血はなくなりプローブははいらない、レントゲンに変化、とやれやれ。ここからはメインテナンスですがロンドンの事情などさっぱりわからずご紹介できる歯科医はしらない、現地で何とか探してください。でいったん終了です。
その後最近になって急に日本に一時帰省することになったとのことで急遽再来です。
初診時と約1年ぶりにレントゲンの比較してみました。
左上1の歯根吸収はどうにもならないものの骨頂線は安定し正中離開は閉じて安定しています。
まだ主治医は決めていないもののロンドンでは定期的に歯周治療後のメインテナンスに通うのは一般的なんだだそうです。いい先生がみつかるといいのですが、、、。
それにしてもアメリカの歯科医院と当院の両方でメンテナンスを続けているアメリカ人のLさんといい、このMさんといい、世界も狭いものだと感じます。
反響がよかったので、全顎デンタルX−Pを追加することにしました。
左下1、左上5の2枚は「vs.再生療法シンポジウム(があったとき)」の先鋒要員です。
ところで知性を疑う「コンビニ美容歯科」HPの噂をききました。年中無休朝早くから夜遅くまでやってるそうです。いわく「従来の歯周治療の歯石除去器具は刃物だから危険です」そりゃあ、使い方を知らないひとには危険でしょう。そんなこといったら高級寿司店のよく研がれた長い出刃包丁なんて「殺傷能力の高い類い稀な凶器」といえることになります。あまっさえ「当院の勧める抗カビ薬のうがいで大半は治る」のだとか。笑止千万、本気で怒ることも大人げないですが、これに釣られる何も知らない患者さんたちはほんとうにかわいそうです。
勝手に何をいってもいいかもしれませんが、不思議に思えることは高偏差値の難関に合格し高卒時には秀才だったはずの若い歯科医がなぜそんな偽物を真に受けるのか!?ということです。大学合格時点で彼の人生は終わったのか、卒前卒後の教育が間違っているのか。「集客」のための確信犯なら詐欺ですが、本当に真に受けているなら、お○カさ加減を世にさらしているのです。
歯科医としてすでに折り返し地点をすぎた身として、こんな輩どもが横行するようになったら、、、とそう遠くない将来のこの国の「歯科」が不安に思えてきました。
初診時50代女性。上顎左右7欠損。
同じ1歯欠損にも関わらず対合である下顎左右7は大きく明暗をわけた。連結冠右下7は根尖まで骨吸収、左下7はやや遠心に向かって挺出し、歯周ポケットはない。左右6近心には垂直性骨欠損。
歯槽骨吸収を起こした歯牙は、挺出して炎症から逃れようとする傾向にあるが、対合歯の存在、連結固定等により自然移動が阻止されると炎症は拡大する。
本症例の治療とメインテナンス:クラウンを撤去し咬合力を解放。自然移動で骨が平坦になってから補綴。6ヶ月毎のメインテナンスが8年間継続している。
患者さん自身のプラークコントロールの良さとメインテナンスの成果により、炎症再燃の兆しはなし。年数の経過とともに、歯槽骨頂線がますます明瞭になっていくことが興味深い。
ほとんどの歯の根尖近くまで、いくつかは根尖を超えて骨吸収が進んでおり、前医にて全歯牙抜歯を宣告された重症例です。抜歯やむなしと思えるほど全部の歯牙の動揺が著しく、指でひっぱったら抜けそう、、、。どの歯で何を食べているのか不思議にさえおもえるほどでした。
上は治療前、下は治療後。歯冠歯根比の悪さは変わりませんが、3歯を除き保存することができました。そしてその後も患者さん自身のプラークコントロールに加え、ご本人の希望にて毎月一度のメインテナンスが継続されています。
動的治療を終了後3年経過し全顎のレントゲンを撮らせていただきました。
歯周炎の再発や悪化はないばかりか、歯槽骨頂線の明瞭化がさらにすすんでいることが確認できます。継続は力なり、メインテナンスの効果といえます。
Lさんは日本にいるときは数か月に一度PMTCを自ら希望して来院されます。
そういえば最近顔見ていないなあと思っていたらアメリカに帰られていたそうでBrooklynの歯科医からレントゲンのコピーを持たされてきました。レントゲン撮影しなくていいよ、という主治医の配慮なのでしょうか、それとも礼儀なのでしょうか。
アメリカの歯科医もデジタル化したようです。やはり18枚は規格なのでしょう。
Lさんは日米を往復しているアメリカ人で2004年に歯のクリーニングを希望で来院されました。
アメリカの主治医からもたされたレントゲンです。
18枚法とでもいうのでしょうか。マウントシートが存在するのでアメリカのスタンダードなのかもしれませんが、必要なところはみえない割には無駄なショットが多い。そこで正しい10枚法です。
問題は左下6の根分岐部病変。出血排膿pd9mmLindheの分類3度です。
アメリカ歯周病専門医がオペをして補綴専門医のクラウンだそうですが、このままでは抜歯も近い?