院長ブログ

カテゴリ「歯周組織の変化」のブログ記事

22JAN

スライド修正

2020年01月22日
先日の例会で講演の予演をしたところ、さすが我が富山剱の会メンバー、小さい不備があることを見つけてくれました。固有歯槽骨を示すラインが不正確でした。

固有歯槽骨1.6誤.jpg
ありがたいことです。早速修正しました。
固有歯槽骨訂正.jpg
残念なことはこのわずかな間違いのあるイラストを昨年出版の書籍に掲載してしまったことです。
いずれ改訂版でも出す機会があればいいのですが、、、

22MAY

根尖近くまで喪失していた骨のCT 像から

2018年05月22日
根尖近くまで骨吸収がおよんで保存不可能と思われた右下犬歯です。
メインテナンスがたゆまず継続され良好な経過を辿っていますが、CT 撮らせていただいたところこんな画像が得られました。
Kd'96~'18.jpg
こうしてみると骨の高さや厚みも増し、皮質骨にまで育っていることが想像されます。
メインテナンスが重要です。
25FEB

歯周組織再生療法の意義?

2018年02月25日
ケースプレゼンテーションの意義は、症例を前にどう考えてどうやったらどうゆう結果を得てその経過から何を学んだのか、なのでしょう。今回、講演準備をする中からみつけもの。
 他の歯科医院さんから紹介してみえた初診時21歳女性。他の部位はまったく何ともなくいたって健康なのになぜか右上2近心だけ出血排膿動揺が主訴でした。
歯周組織再生療法Xーp1.jpgのサムネール画像
約2年ほどで固有歯槽骨が確認できるようになりました。まだメンテナンス5年と経過は長くありませんが、安定しています。

本症例のキーワードとしては「目で見てわかり易い変化」「治療期間の短縮」でしょうか。

19FEB

歯根膜による歯周組織再生

2018年02月19日
予想と予告通りながら、こうして眺めてみると予想を上回る好結果ね!
歯根膜による歯周組織再生〜.jpg
歯周組織再生3.jpg歯根膜による2.jpg
余計なものは使わない、天然素材がもたらす古くて新しい術式か!?
まとめて何らかの形にしましょうね。


13SEP

講演準備、、、

2016年09月13日
ず〜っと前から寝ても覚めても気になってるのに、間際にならないとエンジンかからないのは終生変わりません。でも直前に面白いネタやアイデアが浮かぶものです。
再生?.jpg
X線像の質や規格化を説明しようと思い画策中です。

08NOV

歯間乳頭部のクリーピング

2012年11月08日
正面クリーピング.jpg
'97 8 ~12 歯周基本治療後、歯間乳頭部の腫脹が消褪し空隙ができたが、'12 メインテナナンスが継続されるなかクリーピング
臼歯クリーピングの.jpg
陥凹のためプラークコントロール困難だった右下7遠心は、クリーピングして平坦になったため容易になった。

06NOV

歯と歯槽骨の挺出2:クレンチング 12年経過

2011年11月06日
'99 2:左上56にインプラント、7単冠セットから6年後の'05 対合である左下6を歯根破折で失ったが患者さん自身の希望で補綴せず短縮歯列。
骨ごと2.jpg
'11 10 7(setから12年、「6抜歯から6年後)左上7が挺出して遠心咬頭は下顎歯肉に接触、周囲の骨と付着歯肉が著明に増大している。近日中、再治療開始予定。


04NOV

歯と歯槽骨の挺出

2011年11月04日
左:初診、右:歯周基本治療後。左上7を抜歯に決定
KW挺出.jpg埋伏していた左上8は'05 2~'11 1の6年間に萌出したがその周囲の歯槽骨に注目。
8近心のCEJ(黄)は7遠心CEJ(水色)と同じレベルになるまで挺出した。歯根膜の挺出に伴って周囲の歯槽骨も挺出していることがわかる。
27NOV

Q 「歯肉の変化~歯の移動~クリーピング」総括

2008年11月27日

A  まとめとして初診時からメインテナンスまでを並べてみます。

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ブラッシングで歯肉の性状が変化したとき、ここが「1歯1回で麻酔をしないで深~いポケットをルートプレーニングを始める」タイミングです。
急性期にはいかにブラッシングを徹底するか、がポイントです。患者さんにいかに「その気」になってもらうか(モチベーション)そしてそれをいかに持続できるか、デンタルスタッフ総力あげた力のみせどころなのです。
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臼歯部にもかかわらず咬合調整はしていませんが、歯間離開が閉じました。
「不良肉芽」をとらず根面を滑沢にできる技術がポイントです。
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クレーター状に陥凹していた歯肉がせり上がり、歯間乳頭が形成されました。
この間、プラークコントロールは困難ではありますが、歯肉のクリーピングの妨げとなる歯間ブラシの使用は禁忌です。
 歯周組織が安定しているメインテナンスにおいては「磨きすぎ」は禁物なのです。

23NOV

Q: メインテナンス期のクリーピングについて

2008年11月23日

A: 11月19日記事症例の経過観察より。この症例におけるKey Toothは右下犬歯で、歯列の連続性の維持はここを確実にメインテナンスできるかどうかにかかっています。犬歯遠心の歯肉の位置にご注目ください。10年の間にクリーピングしています。
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歯肉は居心地の良い位置で安定しますが、メインテナンス期に必要なブラッシングは、急性炎症を消褪させるために必要なブラッシングとは異なり、オーバーブラッシングは要注意です。適切な圧や方向は歯肉の変化を観察することで確認します。歯間ブラシの使用は、クリーピングの可能性をなくしてしまう怒れもあることから、できることなら歯ブラシ一本で確実にプラークを落とせるようにしたいものです。

22NOV

A: 病理学からの解説

2008年11月22日

N編集長が、デンタルハイジーンに数年前に掲載されていた解説を教えてくれました。
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「歯肉がからっと乾いた感じになったとき、、、」なんていう私の感覚的でしかない答えをなんと端的に科学的に言い表しているのでしょうか。アンダーラインを丸暗記して次回からはさらっといえるようにしたらきっと自分のアホぶりが隠せるに違いないと思いました。
歯科衛生士向け雑誌として読みやすいビジュアルな誌面ながら、重要な項目はちゃあんと網羅している「デンタルハイジーン」恐るべし!

19NOV

Q ルートプレーニングを開始のサインは

2008年11月19日

(TDC卒研後、いくつか質問をいただきましたので順にお答えします)

A: 私たちが大切にしているルートプレーニング
 1.プロービングデプスの深さには無関係に
 2.歯肉縁上縁下とわず「1歯1回で」
 3.麻酔をしない
  を的確に行うために大切なことは
「プラークコントロールが定着し、歯肉(歯周組織)の性状に変化が見られた時」に開始することです。下はその一例。
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左:水っぽい歯肉が、右:歯肉が乾いた感じに変化しています。これがルートプレーニング開始の合図。ここにくるまで4ヶ月かかっていますが、こうなるまでブラッシング指導のみ、「縁上のスケーリング」はしないのです。患者さんのモチベーションを持続させることは歯周治療に携わる歯科衛生士の技量(のひとつ)です。

05SEP

SRPの開始時期と自然移動

2008年09月05日

深い骨縁下ポケットを有する重症例で「麻酔をせずに(痛くなく)、1歯1回で(縁上縁下一気に)SRPをする秘訣のひとつは、プラークコントロールを徹底すると歯周組織が変化するときがある、そのときにSRPをすることです。
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患者さん自身が治そうとする意思をもつことが何より必要ですが、そうするための術者や担当歯科衛生士のモチベーション力が問われるところです。
歯周組織の炎症の消褪、口唇、舌の力があいまって不整な歯並びが自然移動しています(右下1は抜歯)。
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この間約7か月。矯正装置その他は一切使用していません。

25AUG

ルートプレーニングの開始時期

2008年08月25日

患者さんのブラッシングが定着すると歯肉の浮腫が消褪して乾いたように見えるときがあります。歯肉が治りたがっていなときなのです。
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このときを逃さず「(縁上縁下をわけず)1歯1回で」「麻酔はせず」確実にルートプレーニングをするのです。その後病的移動していた「67の歯間離開が閉鎖しました。
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その間のレントゲンです。骨梁像にも変化がみられます。
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21AUG

重度歯周治療後のフェストゥーン

2008年08月21日

重度歯周病の治療です。
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その間のデンタルX-P
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10年の経過のなかでフェストゥーンが育ち付着歯肉に変化しつつあります。
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30JUL

フェストゥーンが付着歯肉に変化2

2008年07月30日

歯肉退縮をおこし初診時にはほとんど付着歯肉が喪失していた右下4の辺縁歯肉に注目ください。
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’98 ’03 ’08 とフェストゥーンから付着歯肉へと変化しています。
そしてこの間の同部位のデンタルです。
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歯槽骨の吸収は停止して骨梁像の変化もみられ安定していることがうかがえます。
すなわち炎症がコントロールされたうえそこに適切な咬合力が加わることで歯周組織は安定した証としてフェストゥーンが付着歯肉へと変化するのではないでしょうか。

25JUL

フェストゥーンが付着歯肉に

2008年07月25日

50歳代男性。右下3部のみ付着歯肉喪失
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歯周外科時、垂直性骨欠損を確認
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経過観察。フストゥーンが厚みを増している
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’08年、9年経過。歯根膜が喪失している遠心隣接だけは回復しないがそれ以外は付着歯肉に変化。
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31OCT

歯肉の変化を待つ、見逃さない

2007年10月31日

深いポケットを有する重度歯周病において、術後疼痛や冷水痛などの不快症状がなく良好な治癒に導きそれを再発させない秘訣は、ルートプレーニンングの開始時期にあります。『歯肉がブラッシングによって大きく変化したときに』『ポケット底から歯肉縁までの歯石を一気に』取り去って滑沢な根面に仕上げるのです。

浮腫性の歯肉、全顎にわたりpd8〜10mm、著しい動揺がみられる重症例です。
(下顎前歯部歯肉に注目ください)
初診.jpg

初診から7wブラッシング指導のみ。歯肉に変化はみられますが、あえてまだスケーリングはせずもう少し歯肉が変化するのを待ちます。
05 3.26.jpg

さらにその3w後。浮腫性の歯肉が乾いた感じに変化しました。歯肉が治ろうとするサインです!この時を見逃さず、ポケット底から縁上まで1歯につき1回でルートプレーニングをします。
05 4.19.jpg

1ヶ月後、プロービングデプスは2〜3mmに改善しました。
05 5.31.jpg

メインテナンス3年が経過しました。再発もみられず安定しています。
メインテナンス.jpg

26OCT

ポンティック下の骨 2

2007年10月26日

'93初診 左下56欠損 処置前.jpg
FCKブリッジを形成,セットした。

それから12年後の'05 歯肉疼痛を主訴に再来院。歯肉が5のポンティックにくいこんでいる
ポンティックした.jpg

'93 と'05のデンタルを比較すると皮質骨が大きくせりあがっていることがわかる。
骨no増大.jpg

26OCT

ポンティック下の骨造成

2007年10月26日

ポンティックjpg.jpg
左:ブリッジ脱離で来院。セメントウオッシュアウトらしい。
 '90 ~'00 右下6ポンティック下に著しい皮質骨の造成がみられる
右:ポンティック下の歯肉疼痛を訴える。ポンティック下の骨に伴って歯肉もあがり、ポンティックに強く接するようななったためで、歯間ブラシ不使用による歯肉炎とは異なる。
バイオ〜.jpg
右下5歯根破折。6ポンティック下皮質骨が造成。
(光弾性実験の写真は「歯科臨床とバイオメカニクス」伊藤秀美訳クインテッセンス出版 より引用)
上記3症例の共通項はクレンチングが強いKr.であること。
ポンティックと支台歯間に応力が加わり続けると、ポンティック下の骨が押され、その結果として皮質骨が造成をきたすことは、バイオメカニクスから説明できそうである。

25SEP

エンド?ペリオ?

2007年09月25日

case1.jpg
左上2根尖のxp透過像.エンド病変かペリオ病変かによって処置が異なるだけでなく、誤れば予後が全く変わるはずです。エンドを強く疑うものの原因が見当たらないように思えたので根管治療はせず、スケーリングSRPも一切行わないで自己暗示とスプリントによるブラキシズムのコントロールにつとめました。3ヶ月後レントゲンの比較です。
3ヶ月後.jpg
咬合性外傷が主たる原因だったことがわかりました。

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