院長ブログ

カテゴリ「智歯」のブログ記事

17AUG

埋伏智歯の萌出

2016年08月17日
いわゆる歯周補綴。メインテナンスが15年間続き安定した予後です。
左下8が埋伏していることは初めから分かっていましたが、15の間に少しずつ顔を出し、ついにCEJの位置まで出てきたようです。
'01~'16 智歯萌出.jpg
かといって細い顎堤に使える部位もありませんからこの先もこのままです。

28FEB

上顎智歯の長期経過

2010年02月28日

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’88 3 20代女性 右上8が埋伏しています。
’98 6 10年後萌出を確認
’02 3 あまり変化はなく、このあと暫くメインテナンスを怠った
’10 1 22年後の40歳代後半。7」遠心にカリエスを発見。(8のせいでブラッシングが困難?)

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左:遠心隣接のカリエスは縁下深い。8はもちろん保存可能ながら7遠心のメインテナンスに問題が残るため8の抜歯を決断
右:2w後、深い窩洞となったものの抜髄はなんとか免れた

メインテナンスを怠ってしまった反省でもあり結果論ながら、’03時点で抜歯しブラッシングが容易であればこのカリエスは防ぐ事ができたかもしれません。保存か抜歯かの判断は一様ではありません。

26JUN

たかが8番されど8番

2008年06月26日

ことの起こりはこの症例です。
1985年叢生の治療を主訴に寺田矯正歯科医院を受診した当時9歳。
矯正治療が終わり保定にはいってから智歯周辺に問題が生じてきました。
たかが8番1.jpg
その後当院~公立病院歯科口腔外科~当院と今年で23年の長期経過です。
患者さんはもう30歳代。
たかが2.jpg
この症例の記録を眺めながら治療期間が長期にわたる矯正科には規格写真であるセファロやパントモが一般の歯科医院には考えられないほどあることを知りました。そして廃棄寸前だったそんなパントモには宝の山が隠されていることが解ったのです。
智歯は実に奥が深いのです。

24JUN

「第3大臼歯を考察する」日本歯科評論'08年7月号

2008年06月24日

わが高岡市歯科医師会学術部は外来講師選定に自信があります。上部組織からの下請け仕事がないため全て想いのままですから。強いていえば「担当理事独断がほとんど」が欠点かもしれません。
でも講演会主催だけではありきたりなので会員参加のカンファレンスものの企画を重ねてきました。
県会報.jpg
県会報2.jpg
(県歯会報’03 11月号 ’04年1月号 より.このあと「高岡口腔臨床カンファレンス」と名称変更しました)
歯科開業医にもいろいろな価値観をもつひとがいて方向性はひとつではなく、われわれのスタディーグループ活動とはやや趣が異なります。その一方で別の視点からの症例の見方は新鮮です。なかでも、口腔外科、矯正と他科との共通項がある智歯の話題「たかが8番されど8番」シリーズはとても有意義でした。
 さてこのたびそのシリーズ企画の内容の一部を、『信越地区の3大学歯学部矯正科教授を後輩にもつ北信越の矯正の第一人者』寺田康子先生が日本歯科評論2008年7月号に書いてくださいました。
寺田康子先生記事.jpg
寺田先生入魂の一作、発売間近!歯科医なら必見です。
http://www.terada-ortho.jp/

15NOV

智歯の挺出

2007年11月15日

30歳代女性重度歯周病の経過です。
正面no.jpg
左側上下7番は保存不可能と判断し抜歯。
隣接する埋伏していた智歯挺出の経過です。
上知歯経過no.jpg
下知歯経過no.jpg
知歯遠心の骨量に注目したい。

01DEC

萌出と埋伏

2006年12月01日

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20代女性。右下8智歯周囲炎で抜歯した。左下は埋伏の予想ははずれ、向きをかえて萌出した。

萌まい2.jpg
10代男性。4歯とも深いところに位置していた。13年後には全て萌出した。左上は抜歯済み

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10代男児、6年後の比較。埋伏するかに見えた右下は完全萌出したが、左下は水平に向きをかえた。そのせいか7遠心にカリエスが生じた。7保護のために8抜歯も適応か。

智歯は、下顎骨内での歯胚の位置だけではなく下顎骨の成長方向や成長量でも萌出ら埋伏かはわかれるようです。その予測は困難なので、こと若年者の智歯は、初診時には抜歯の適応か保存して経過観察かの判断は難しいといえます。

25NOV

埋伏歯抜歯後7遠心の骨レベル

2006年11月25日

1991年初診。30代男性、左下8部歯肉腫脹疼痛が主訴です。
1991ー.jpg
下歯槽神経に近いうえ下顎枝前縁の皮質骨に埋伏しているため難症例ですが、患者さんご本人の希望により抜歯を選択しました。
危惧したことは抜歯後長期経過のなかで隣在歯左下7の遠心が抜歯後どのような治癒をするのか、ということです。骨のレベルは以下のようになるのではないかと予想していました。このように大きく付着が喪失して歯根露出すれば歯髄炎を併発するかもしれません。
予想.jpg

抜歯から15年後、2006現在のレントゲンとの比較です。
2006.jpg
うれしい誤算です。予想は外れて智歯歯冠があった付近まで骨が再生しています。X−Pで骨吸収を起こしているように見えても実際は基質は残存している可能性がうかがえます。歯根膜による骨再生の可能性が期待できることから、抜歯する際は過剰な掻爬や隣在歯の歯根膜には充分注意する必要があることがこれでわかります。

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