患者さんのモチベーション
原稿をいくつか掛け持ちしてアップアップのさなかだってのに、やんごとない事情からもひとつ追加を断れないことになりました。歯周病と糖尿病の関連について内科医のあとをうけて歯科医の立場としての意見を述べてほしいというものです。
私は立場上、歯周病と糖尿病の関連シンポジウムなんていう企画もしましたが、自分の本音をいえば「歯周病を治したら糖尿病がよくなる、糖尿病を治したら歯周病がよくなる」なんて全く思っちゃいません。別でしょ!?実際私は糖尿病の指導は一切していませんが歯周病を治せています。
でも今回の症例では、10年来メインテナンスしてきた歯周病が突然悪化した背景に糖尿病が潜んでいたこと、患者さん自身のモチベーションで糖尿病がコントロールされ、それに伴って歯周病も再びコントロール下になったことから「増悪因子には間違いない」のでした。そして両者には「自分で治そうとする意思のあるひとにはコントロールできる、まさに生活習慣病という点で共通する」というのが教訓です。
ところで今日初診で遠方から紹介でみえた若くして重度の歯周病の患者さんのカウンセリングでのこと。歯周病の成因と治療の仕方、予防の仕方について詳細なご説明をしました。すると終わったのに涙を流されなかなか立ち上がらないのです。おいおい、まだ治ったわけじゃない、これからなんですって。でも涙を流すほどに納得いただければ、この方のモチベーションも決意も満点。必ず治せると私は確信しました。がんばっていきましょう!