'10劔岳早月尾根
日本海から見える劔岳(2999m)の一直線に山頂まで伸びる尾根が早月尾根です(写真黄線)。
室堂を経由する別山尾根ルートは岩と雪の景観が抜群なうえスリルもあって剱岳ならではの醍醐味なのですが、早月尾根の大変なところは途中までの乗り物がなく登山口の標高780mの馬場島(ばんばじま)から全て自分の「足」だけがたよりなこと、尾根なので水場が一カ所もないこと(注:別山ルートの山小屋に風呂まであるのは山小屋としては異例)なのです。早月尾根はそんな健脚向きなので素人は少なく静かな山行ができる、乗り物がないから時間の制約がない、そんなことからエクストリームな登山者の間では「日帰り(一日で往復)」という無謀な計画となるのです。
馬場島には夕方6時に到着。アルコールを呑んで予定通りまだ明るい7時には車中爆睡です。
まだ辺りは真っ暗な3時半に目が覚めた.なんのことはない普段より永い睡眠時間だ。いつの間にか周りには10数台の車でした。空には満点の星だ、さあて行きますか。ヘッドライトを頼りにガシガシ登った。上り後半、軽い高山病?熱中症?頭と眉間が痛い、、、数十分のロスタイムもなんとか持ちなおして10:00剱岳本峰ゴールです。
剱山頂は本日快晴で360°の眺望。遠く富士山まで望めました。下山の最後は体力ではなく気力のみ。ヨタヨタ。登山口までの全行程11時間で終えました。通常の山行では一日で3kg程度体重が減少しますが、今日一日で4kgの減。3年ぶり4度目となる剱岳日帰りの過酷さがわかろうというものです。五十路だってのにこんな無茶に耐えた自分の身体と精神力を褒めてあげたい。流した何リッターかの汗の数倍の水とビールを流し込み、今夜はダウンです。