編集部、各執筆者渾身の一冊。実にすばらしい企画、待望の刊行です!
いままでいろんな症例報告のなかで「力の関与が疑われる、、、」なんてことをいわれることがよくありましたが、歯科臨床において様々な場面で遭遇するその問題は、未だブラックボックスの中のようで、これを正面切って取り上げた本はなかったように思います。昨年からこのプロジェクトに参加させていただきました。編集者、執筆者の多くは知った顔でもあり今日の日を楽しみにしていました。
臨床編の筆者のほとんどは、さすがわが臨床歯科を語る会メンバー。症例写真やレントゲンの正確さ美しさは気分がいいです。でも実は原稿締め切りが少し過ぎたある日、この中の数名と話ししていたところ、原稿を提出した者が一人もいなかったのです!よくいえば皆じっくり構想を練り上げていたというところなのでしょうが、編集者たちにとっては困ったことに違いなく、こんな大人数の筆者の全員が遅刻、それら揃ったうえで限られた時間に編集作業をするのはさぞかし大変だったことでしょう。これだけの大作を、短期間にこんなきれいにまとめ上げられた編集部の忍耐力と手腕には脱帽です。(執筆を依頼されたら期限内には提出しよう!)歯科衛生士向け誌「デンタルハイジーン」からの出版ではありますが、レベルは高く内容も濃い!歯科医療に携わるすべてのひとたち必見です。
ところで
デンタルハイジーン新入編集者嬢から「私は高校時代によく自転車でまきの歯科医院の前を通ったんですよ〜」と初めてきいたのは7年程前でした。「何!?、、、ってことはT高校出身ね!」それ以来、私や私の医院のスタッフ、剱の会メンバーのスタッフ等を幾度もとり上げていただいたり、その原稿に赤ペン通信添削をお願いしたり。また彼女を掴まえてはなんだかんだと「同窓のよしみじゃないか!」と理不尽な無理難題をおしつけたり「ちょっとこれ教えてよ、これ調べて~」とめんどくさいお願いを重ねたりと、どんなにお世話になってきたかわかりません。まだシステムが確立しておらず拙い内容だった剱の会スタッフミーティングに無理矢理おいで願ったことも、また一昨年GC講演の大会場でもTDC卒研の血脇記念ホールでも壇上からお顔をみて(私独りを取材に来られたたわけではないながら)ありがたいことだと思っていました。
本ブログでもしばしば「わが同郷の聡明なる美人編集長」とご紹介してきたデンタルハイジーン編集部長田伊織さんが歯科ではない他の部署に異動という非情なニュースなのです。(もう実名、顔出し上等だ~)
歴代前任編集長も数年で交替されてきましたから、そう遠からずこの日は来るのだろうとかねがね思ってはきましたがついにその日となったのか。人事異動にどんな事情があるのか知る由もないですが、「歯科」から離れてしまわれることは、もったいなすぎです。せっかくこれまで培われてきた歯科界での幅広い人脈、積み上げてきた歯科の広くて深い知識(歯科大学の出身でもないのにわずか数年でそんじょそこらの歯医者の数倍の歯科の知識は他の編集者たちも同様)を全て無にしてしまうのです。利発で機転がきき気配りができる彼女を惜しむイオリストは私だけではないはず。昨日も都内某所の著名スタッフとお互い涙涙の惜別だったらしい。こんな素晴らしい好著↑の編集が「遺作」とは惜しすぎます。ご苦労さま、なんていいたくはない。早く「歯科」にカンバックしてほしいと切に願うものであります。まさか「いっそQ社かH社にでも電撃移籍したら?」ともいえないが、、、。