歯界展望2010年1月号
A4化なった1月号に私の名前が二つ載っています。
ひとつは11月KDM講演の記事。
永田先生松田先生そしてKDMのみなさん歓待ほんとにありがと〜、です。
もうひとつは連載。
私は歯科雑誌や(とくにインプラントロジストの)講演を聴く(みる)たび常々苦々しく思っていました。『あの歯を抜歯してインプラント?残せるでしょう!?』また「再生療法」の症例写真をみるたび『高価な膜や塗り薬を使わなくてももっときれいに治せる自信がある」。また「私はインプラントは随分やってます。でも歯周治療は苦手。採算とれないし」なんて平気な顔していう歯科医が日本中にたくさんいます。心あるひとなら「ちょっと待ってよ、それはないぜ」と思うのが普通です。
すでに歯科医としての人生の折り返し地点を過ぎた身としては、さあこれから!という若い歯科医が商業誌であんな症例ばかり眼にするうちにそれが歯科医としての目標であるかのように錯覚し、歯牙保存の努力や歯周基本治療を怠ってしまうだろうと危惧するのです。
今回の連載はそんな観点からのものですから、ベテランの先生たちには陳腐でしょう。10回程度連載のうち重症例やその経過を後半に提示しますが、前半4回くらいは「前振りの前振り」が続きます。当面、素通りしていただければ幸いです。
来年はこの連載、デンタルハイジーン春の別冊、秋のアメリカ歯周病学会、の3本建て。「活字」になることは、しゃべりっぱなしではなく証拠が残ることなので油断できません。