特養の「口腔ケア」
父が生前お世話になっていた特別養護老人ホーム伏木苑の入所者の口腔ケアをする介護職のひとたちへの指導を依頼されました。入所者50名、通所40名という施設です。これから月に一度当院歯科衛生士が出向いて、介護の職員に指導をすることになるようです。入所者に対する個別対応の前に、まずは職員に口腔ケアの概念を理解していただく必要があるので、ここ数年間さまざまな機会に講演させていただいた中から再編集して職員のみなさんにお話ししてきました。対象者の反応や入所者の様子を見せるために当院歯科衛生士4名にも同行してもらいました。
「入れ歯は必ず外して洗わないといけないのか?」等我々には想像できないような質問も飛び出しし、歯科関係者とそうでないひとたちとの知識や理解には相当な開きがあることがあらためてわかりました。裏を返せば要介護者に対する理解も同じで、おそらく我々が理解しなければならないのにしていないことも多くあるのでしょう。
日頃健常者の歯周治療にばかり取り組んできた私や当院歯科衛生士たちの要介護の患者さんへの対応も考えなおさなければならないことがわかったよい機会でした。
亡父の口腔ケアに用いていた吸引機が必要でなくなり倉庫に眠っていました。これは丁度良い機会と思い寄贈してきました。