12AUG
歯の自然移動とメインテナンス
2009年08月12日
初診時50代女性。上顎左右7欠損。
同じ1歯欠損にも関わらず対合である下顎左右7は大きく明暗をわけた。連結冠右下7は根尖まで骨吸収、左下7はやや遠心に向かって挺出し、歯周ポケットはない。左右6近心には垂直性骨欠損。
歯槽骨吸収を起こした歯牙は、挺出して炎症から逃れようとする傾向にあるが、対合歯の存在、連結固定等により自然移動が阻止されると炎症は拡大する。
本症例の治療とメインテナンス:クラウンを撤去し咬合力を解放。自然移動で骨が平坦になってから補綴。6ヶ月毎のメインテナンスが8年間継続している。
患者さん自身のプラークコントロールの良さとメインテナンスの成果により、炎症再燃の兆しはなし。年数の経過とともに、歯槽骨頂線がますます明瞭になっていくことが興味深い。