08JAN
顎骨壊死?
2009年01月08日
ビスフォスフォネート系薬剤が骨粗しょう症治療薬の第一選択薬だそうですが、その副作用として顎骨壊死が2003年に米国で論文発表されて以来、にわかに注目されています。しかしながらその発症機序、予防法、対処法がいまだに明らかになっていないそうです。患者さんはもとより歯科疾患の治療の不良な予後と誤解されかねないことから私たち歯科医にも忌々しき問題です。
少し前にこんな症例を経験しました。50歳代女性。左上5に歯根露出、ポンティック下部にも骨が露出しています。レントゲンには当然透過像。プラークコントロールが悪いですが、通常の歯周炎とは明らかに異なります。問診では避妊薬ピルを常用されていたことがわかりました。
5を抜歯し肉芽をそうはしますが、いつまでたっても治癒不全で骨鋭縁が露出し続けるため小さな骨整形を数回行いました。
ようやく右下の状態になるまで10w。途中、念のため病理組織診も行いました。
以前悪性腫瘍を偶見した苦い経験がありそれを思い出し心配しましたが、今回は時間はかかったものの大事に至らず治癒をみて胸をなで下ろしました。ピルにビスフォスフォネートと同様な副作用があるのかどうか知りたいところです。再来週開催される整形外科主催の研修会が楽しみ。