1976年のアントニオ猪木
プロレスがリアルファイトなのか勝敗がプロモーターによってきまられている一種の演劇みたいなものなのかそんなことはどうでもいいのです。私は小3のとき親父に頼んで高岡市民体育館へプロレスを見に連れて行ってもらい、そのときナマ猪木をみて鳥肌が立つ程感激したのです。それ以来猪木ファンとして実に40年間。1976年高校生当時、対モハメドアリ戦がみたくて3時の氷見線で急いで帰宅したものでした。対ストロング小林、タイガージェットシンetc.知らないひとは全然知らないでしょうが、私にとってはかなり強烈な思い出なのです。
リアルタイムな情景が次々に思い浮かぶなか、夢中になってほとんど一晩で読み切ってしまいました。
この本の著者柳澤健氏も私と同学年のようなので、同じ原体験をもっていると思われますが、この一冊をまとめるのに膨大な取材を重ねてきたことは想像に難くありません。特に独自取材と思われる「オランダの赤鬼」ウイレムルスカの不遇な格闘家人生はまさに小説より奇なり、です。
昨今の格闘技ブームはモハメドアリ戦に端を発した1976年の猪木の4つのリアルファイトから始まった世界観であることは間違いないことがよく理解できました。