院長ブログ

2006年12月のブログ記事

31DEC

初滑りパウダー

2006年12月31日

今年のスキー合宿はやむなくキャンセルしましたが、29日に待望の降雪があったので、30日早朝にゴンドラ一番乗りをして圧雪車が通る前のパウダーをしっかりいただきました。
スノーボードの最大の楽しさのひとつは新雪パウダーランのキント雲状態(急斜面の新雪の中でフワフワ浮きながらどこまでも落ちてゆく感じ)でしょう。
こんな踏み跡のない斜面はもう最高です。
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でも同じ目的の若者たちが大勢でほどなくみんなの踏み跡とこけてもがいた穴だらけになってしまったため早期撤退をきめました。
緩斜面で一度はまればスノーボードでの脱出は極めて困難になるため、急斜面に限定されるので朝イチの数本に限られるのです。
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27DEC

「歯科の『ケア』」と「口腔ケア」

2006年12月27日

いつの頃からだったか当院のキャッチコピーを「 CureからCareへ」として「歯周治療、予防、メインテナンス」を旗印に掲げてきました。要するに「すでにかかってしまった疾患の治療のみならず再発予防。そして発症の予防」ということです。目標としてきた成果は充分あって、重度歯周病だった患者さんを術後10年以上メインテナンスを継続しその後一本も歯を失わないで維持している症例がどんどん増えてきています。私の3人の子供たちにも当然ながら虫歯は一本もありません。偶然ではなく計画的にしてきた成果です。
私たち歯科(医)のいうCareとはそんなところです。
ところが以前から介護その他歯科以外の職種のひとたちとの会話でどうも口腔ケアの中身がかみ合わないように思い、違和感を感じ続けていました。それがここにきて謎が解けてきました。それは我々歯科医の対象は健常なひとであることが大半であり、ケアの対象は虫歯や歯周病です。それに対して歯科以外の職種の方たちがいっている「口腔ケア」とは、要するに「誤嚥性肺炎の予防のための口腔内清掃」のことなのです。そう考えて区別すれば誤解や混乱が解消できると思います。
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「口腔ケア,摂食嚥下」の講習会にどこも数百人単位の受講生で熱気にあふれているとのことです。でもそのなかに歯科関係者はわずか2割とのこと。口腔内のことは歯科がプロであることはまちがいないのに、逆にひとり置いてきぼりをくっているみたいです。また介護のひとたちが、最近色めき立っている背景には口腔ケアの重要性を知り始めたということだけではなく「保険点数」があると思われます。その一方歯科にはそれがあまり反映されないことや診療報酬改定その他のことから経済的にも心理的にも余裕がもてないこともあって全体的にはいまひとつ機運が盛り上がりません。「口腔ケア」の多くは特定の歯科医そのスタッフの善意でのみ行われていることが実情なのではないでしょうか。
いずれにしてもこれはゆゆしき事だと思うのは私一人でしょうか?

23DEC

Mexican Dentists

2006年12月23日

ティファナにはなぜか歯科医院がメッチャクチャ多くあります。
アメリカ国境を越えてしばらく行ったところに向こう3軒両隣が歯科医院という通りがありました。きっとここは特別なところなんだろうと思っていたら、そうではなく、少し行くと同じように一本の通りに何軒も歯科医院がまさに「軒を連ねて」いるのです。メキシコではいったい人口の何割が歯医者なのだろう、、、。
 町の観光は30分もしたら飽きてしまい、かといって迎えのバスは2時間後。
他に何もすることがないので歯科医院めぐりをすることにしました。
 そのうちのいくつかをご紹介します。どこかの国の歯科医院と似ているところもあるかもしれません。

謳い文句は多様です。
「英語がしゃべれる!」
「歯科一般、矯正、補綴、歯内療法、口腔外科etc.(いろんな歯科の科目に対応します)」
「ザ シンビシカ!」
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不思議なのは歯医者とメガネ屋を同じ店舗でやっているところがいくつもあることです。ショーウインドウに眼鏡のサンプルと石膏模型が一緒に並べてあるのです。
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「こんにちは。日本から来ました。私も一応歯医者です。あまりに素晴らしいオフィスなので写真を撮らせてはいただけませんか」「ああいいよ。せっかくだからよく見学して行きなさい。名刺もってない?残念。これが私の尊敬する院長(父)だ。院長が大学を卒業したときの写真。優秀だったんだぜ。このチェアーなんか父の代からもう50年も使ってる。掛けてあるのは50年前の写真。この機械、知ってる?アメリカから買ったんだあ。こうやってホワイトニングするんだぜ、すごいだろ」
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ヒマにまかせてたくさんの歯科医院を覗きましたが、共通項がひとつあります。
診療時間内だというのにどの医院にも患者さんがひとりもいないのです!
みんなどうやって生計をたてているんでしょう。

21DEC

口腔ケアの武器

2006年12月21日

意識の戻らないKrに対して、うかつに口のなかに指をいれれば思いっきり咬まれてしまい危険です。入れ歯の方であれば外せば問題ないのでしょうが、ここ20年間の私の治療やメインテナンスの成果で入れ歯ではないうえ咬合力は強大です。バイトブロックを咬ませてもいいいのですが、それよりも歯ブラシを2本使いこじ開けながらもう一本で磨いてあげるとうまくいくことがわかりました。名付けて「ツイン歯ブラシ法」。ガーゼや「くるりーなブラシ」などでは柔らかくて有歯顎者のバイオフィルムの機械的除去には適しません。
困る事は舌を咬んでしょっちゅうかなりの出血があるため血餅がたくさん固まっているうえ、完全に口呼吸なので口腔内がすぐに乾燥してからからになるのです。水分を含ませたいのですが、それがうまくいかない。ゼリー状の「オーラルバランス」も試しましたが、足りません。意思の疎通ができる方なら「はい、うがいしてください」と言えば数秒ですむことなのですが。かといって寝たままの状態で液体を流しこめば即、誤嚥することは間違いありません。そこでポータブルバキュームを持ち込むことにしました。これは大成功。少し横を向かせて濡らした歯ブラシを使いながら反対の手でバキュームを使うととてもうまくいくのです。家庭用ではなく往診用ですから吸引力は歯科のチェアーとほぼ同程度。思い通りに吸い取れます。ただし困る事は、スイッチが指押し式なので術者がひとりで使う場合はバキュームを持つ手で一緒に持たなくてはならずとても不便なこと、あまりに重くて持ち運びには不向きなこと、価格が200万円位と高価なことです。
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現在、Krの口腔内は口からものを食べてもいないのに執拗なブラッシングをしているのですから、そんじょそこらの健常人よりよほどきれいです。いつくるかもわからない「最期」まで必ず持続させる決意。

19DEC

口腔ケア

2006年12月19日

父が倒れ、ショートステイでお世話になっていた施設から救急車で病院に搬送されました。
低血糖からの糖尿病性昏睡とのことですが、2日たっても意識は回復しません。
担当の先生やスタッフの方達にすべてお願いするしかないのですが、歯科のことしかわからない私は口腔内が気になっていました。通所しているときもショートステイでも私が1日に1〜2回厳重に歯磨きしていたのですが、その前日だけ身体が動かせなかったために歯磨きしてあげられなかったので、食べたものが口の中にあるはずです。
 そのうえ、意識がないなかで嘔吐したことで吐瀉物もあるし、舌を咬んで出血しているので血餅もあります。
 しばらく様子をうかがっていましたが、昨夜になって歯ブラシを使いました。
巡回してきた看護士さんがそれをみて「どうしてそんなにお上手なのですか?」といわれました。私が名乗ると彼女も高岡NST研究会の会員だそうで私がNST研のまきのだとやっと結びついたようでした。
目の前で父の口をこじ開け術者磨きをしたら再び驚かれました。

11DEC

歯肉の色が気になる、、、

2006年12月11日

茶色っぽい歯肉をピンク色にできるのなら、、、というのが主訴です。上が術前、下が術後。術前にしても他人からみえるわけじゃなし、たいしたことないじゃないかと私には思えるのですが、どうやら心の奥底にあるのは喫煙への後ろめたさのようです。そんなことなら煙草をやめりゃあいいのに。
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 私もかつて喫煙者でした。でも自分の意思で煙草はやめました。煙草が歯周病のリスクファクターであることは周知です。歯科医として患者さんに煙草の害について正確な情報をお伝えし禁煙を勧めるのは義務ですが、自分ができないことを他人に指導はできません。「プロ」ですから当然だと思います。完全に止められるまでには少し時間がかかりましたが、その後10数年経過しました。煙草を吸う人が同じ部屋にいるだけで気になります。今度は自分でもメラニン除去を体験してみようかな。

10DEC

ウエールズのラグビー

2006年12月10日

JPRで思い出しました。1980年学1の夏休み。いくつかのアルバイトの結果を握りしめてイングランドへ渡りケンブリッジで2週間ホームステイ。その後スコットランド、ウエールズへ足を伸ばしてきました。ウエールズといったらラグビーの聖地カーディフアームズパーク。運良くその日はラグビーユニオンの100周年記念だかでイベントがあったのでした。ラグビーウエールズ代表対サッカーウエールズ代表というメンバーで「サッカーの試合」なのです。
それにしても考えてもみてください。例えばラグビー日本代表、あるいはプロ野球選抜の11人でチームをつくり、サッカー日本代表チームとで「サッカーの試合」ができるでしょうか!?
ウエールズは国を挙げてのラグビーキチガイ。男たちは全員ラグビーなのです。ということはウエールズ代表ともなるとトップアスリート中のトップアスリートばかりなわけでサッカーをさせてもかなりなレベルでできてしまうようです。スコアは2−0だか2−1だかでサッカーⅪが優位でしたが、決してワンサイドゲームではないのです。
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 ラグビーチームのメンバーは、JPRやJJ以外にはキャプテンに自伝も出している名スクラムハーフ ガレスエドワース。他にもジェラルドデービス、フィルベネットなどいやはやなんとも凄いメンバーだったのでありました。あれっ,でも全員BKだなあ。20歳だった私がミーハーになり思わず現地の子供たちに混じってプログラムに書いてもらったJPRのサインです。
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09DEC

Mr.タックルマン

2006年12月09日

元ラグビー日本代表右フランカー石塚武生氏。170cm71kgとごく普通の体格ながらタックルの激しさは超一流。'80年代当時世界一といわれたウエールズ代表の快速ウイングJJウイリアムスをブラインドサイドからのバッキングアップでゴール寸前で阻止し、190cm95kgの大型FB、JPRウイリアムスを一発のタックルで仰向けに倒した。外科医でもあるJPRが自分の腰に食らいついてきた小さな男を驚いて見た姿が印象的だった。「小よく大を倒す」ことに憧れる私は、コマ送り連続写真やビデオを何度も何度もみて彼の走るコースをイメージに焼き付け、タックルバッグではなく腕が回らないくらい大きいダミーを何本か並べて連続して倒したり、あえて条件の悪い炎天下や雨の日に坂道ダッシュを繰り返すといった独特の個人練習をまねた。そして念願の石塚氏と同じ背番号7をいただいた(今思えばスポ根マンガのマネっこのガキみたいだ)。
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そんなこと私はすっかり忘れていましたが、大学時代の後輩が全国各地をまわっている石塚ラグビー教室にいって著書を差し出し自分ではなく私の名前を書いてもらってくれたそうです。ありがと〜。

04DEC

ティファナ

2006年12月04日

メキシコのティファナまではサンディエゴから車で40分くらい。学会最終日を終えたらチョロッと行こうと思っていました。遠くもないことだしたかだか半日のこと、自分で勝手に行けばいいやと思いホテルのフロントでトロリー電車の時間をきいていました。すると横にいたアメリカ人のおばさんがいいました。Hi,Doctor. My husband is also a dentist. Are you going to Mexico ? I would like to advise you not to go to Mexico alone. Be careful. Be careful.(せんせー。私の旦那も歯医者よ。同業者だから私の言うこと信じなさいね。あなたメキシコにいこうとしてるみたいだけど、一人で行くのは止めた方がいいかも。ようく用心なさいな。)
アメリカ歯周病学会のバッグを持っていた私がよほど危なげで無防備な奴にみえたらしくみかねて親切に忠告してくれたのでしょう。Thank you very much for your kind advice. バスツアーを申し込みました。

国境を超えたというのにメキシコにはいるときは入国審査もありません(アメリカに帰るときはあり)。バスを降りるとそこは本当にアメリカとは全く異次元の世界。
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どちらかといえばパキスタンや東南アジア等のどさくさにも似ていました。でも寡黙なパキスタン人と違い、人々はやけに明るくハイテンションです。拳銃もったお巡りまでもがカメラ目線でピース!です。こういうのをラテン系というのかな。
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小柄な人が多く、私のようなチビでもここでラグビーをやれば「巨漢フォワード」になれるかも。英語は全然通じないかわりに「オニーサン、ヤスイヨ〜。ホトンドタダ!」なんていってきます。変な日本語を教えた悪い日本人がいたのでしょう。立ち並ぶ店に「いろんなものが売っているけれど買おうかなと思えるものはひとつもない」ことは中国シルクロードのバザールにも似ていました。違いと言えばシルクロードのバザールのは悠久の昔から連綿と続く彼らの日用生活品、こちらは観光土産であることでしょうか。
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03DEC

ラグビー早明戦

2006年12月03日

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明治のヘッドコーチが、41歳白髪頭に口髭の中年オヤジになった藤田剛氏になっていて驚きました。試合前インタビューで「なんといっても明治はフォワード。今日はスクラムトライで勝ちたい」といっていました。19歳で史上最年少の日本代表になり「走れるフッカー」として長らくジャパンをひっぱったひとにしてもやはり明大に戻ればメイジラグビーにこだわるのです。
対する早稲田の監督は中竹竜二氏。バックロー陣の名門ワセダらしく激しいタックルとしつこいディフェンスをする素晴らしいフランカーでした。「今日がフォワード勝負。フォワードで走り勝って凌ぎバックスでつきはなして勝つ」といっていました。やはり大学ラグビーは勝敗はもちろんですが、伝統のスタイルをいかに継承できるか、がテーマなのです。
 試合はSH矢富FB五郎丸のトリッキーなプレー、そして伝統の早くて長くて正確なパスとスピード感あふれるBKのライン攻撃のワセダ。対して個人技とパワーでディフェンスラインをこじ開けていくようなメイジ。前半はスコアだけでいえばワセダの大幅リードとなってしまいましたが、圧巻はなんといっても後半終了間際。ようやくエンジンがかかったメイジの怒濤の猛攻で自陣ゴール前のワセダボールのラック。明治バックスのディフェンスラインはゴール前2m(あんなのみたことない)。ノーサイド直前点差も開き時間もないのだからダウンボールしてキャリーバックに逃げてもいいようなものですが、そうしたら明治ボールのスクラムとなり「試合を捨ててもスクラムトライ」を許す危険がある。そこで早稲田はノックオンの危険も顧みずインゴールでオープンにまわしカウンターをしかけて凌いだのでした。いやあ凄かった。
 ラグビー人気が低迷し寂しい昨今ですが、満員の国立競技場をみるとわかるひとはわかっていて眼の肥えたひとたちはちゃんといるんだなあと安心します。やっぱり大学ラグビーは健在です。
 あえていうなら、提供のアディダスに媚びたような最近の薄っぺらいジャージはどうもなじめません。前夜に水杯をたたき割り塩で清めたジャージを涙ながらに受け取るのが早稲田ラグビーだとおもうのです。数年前、あるキャプテンの父親が息子に「明日はグラウンドで死んでこい。骨は俺が拾ってやる」という電報を送ったという逸話もあるほど。またハーフタイムにチアーリーダーがピーピーキャーキャー踊っているのも止めてほしいです。そんなサークル活動もあるのでしょうが、それはどこかよそでやればいいのに。ラグビーはアメリカ人の騒ぎとは違って馴染まないと思うのはわたしだけでしょうか。
それにしても今日は伝統と意地のぶつかり合う素晴らしい試合を見せてもらいました。

01DEC

萌出と埋伏

2006年12月01日

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20代女性。右下8智歯周囲炎で抜歯した。左下は埋伏の予想ははずれ、向きをかえて萌出した。

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10代男性。4歯とも深いところに位置していた。13年後には全て萌出した。左上は抜歯済み

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10代男児、6年後の比較。埋伏するかに見えた右下は完全萌出したが、左下は水平に向きをかえた。そのせいか7遠心にカリエスが生じた。7保護のために8抜歯も適応か。

智歯は、下顎骨内での歯胚の位置だけではなく下顎骨の成長方向や成長量でも萌出ら埋伏かはわかれるようです。その予測は困難なので、こと若年者の智歯は、初診時には抜歯の適応か保存して経過観察かの判断は難しいといえます。

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