25NOV
埋伏歯抜歯後7遠心の骨レベル
2006年11月25日
1991年初診。30代男性、左下8部歯肉腫脹疼痛が主訴です。
下歯槽神経に近いうえ下顎枝前縁の皮質骨に埋伏しているため難症例ですが、患者さんご本人の希望により抜歯を選択しました。
危惧したことは抜歯後長期経過のなかで隣在歯左下7の遠心が抜歯後どのような治癒をするのか、ということです。骨のレベルは以下のようになるのではないかと予想していました。このように大きく付着が喪失して歯根露出すれば歯髄炎を併発するかもしれません。
抜歯から15年後、2006現在のレントゲンとの比較です。
うれしい誤算です。予想は外れて智歯歯冠があった付近まで骨が再生しています。X−Pで骨吸収を起こしているように見えても実際は基質は残存している可能性がうかがえます。歯根膜による骨再生の可能性が期待できることから、抜歯する際は過剰な掻爬や隣在歯の歯根膜には充分注意する必要があることがこれでわかります。