幻のトライ
「セピア色」の話ですーーー
ALL TDC v.s. シンガポールクリケットクラブ戦。
敵陣10m付近での左オープンでの相手ボールのラインアウトだった。
こぼれたボールが最後尾にたっていた私の目の前に転がってきた。すかさず拾って走った。
スタンドオフひとりをかわすとアタックラインをひいていた敵の無防備なライン裏はガラ空き。無人の芝の先に白いゴールラインがみえ、歓声が耳に届いた。しかし、右からブラインドサイドウイングが追ってくるのが視界にはいった。「ダメだ、走りきれない、、、」。そこへフォローしてきた味方の現役学生スタンドオフの声が背後から聞こえた「右〜!!」。私が大事なボールをパスしたら相手タックラーは目標を変えた。
ワンツーですぐにリターンパスをくれれば、思いっきり飛び込んでダイビングトライだ。私は必死で叫んだ「返せ〜〜〜〜〜!!!」。だが捕まりながらのリターンパスは一瞬遅く、私の手にボールが渡ったときスローフォワードのホイッスルが鳴った。
「バ〜ロ〜〜!早く返さんかい!!」そしてノーサイド
20年たったいまでもあのシーンを夢にみることがある。