from JAPAN
1. プレゼンテーター:二階堂雅彦先生西堀雅一先生
二階堂先生はリアルタイムPCR法による侵襲性歯周炎の診断と治療、西堀先生は重度の歯周病による咬合崩壊を歯周治療、矯正、インプラント等を駆使して再構成された症例そしてそこからの考察でした。
お二人ともさすがアメリカ留学経験者、EBMに則ったプレゼンテーションは完璧だし、アメリカ人からの質問やディスカッションにも堂々と受け答えされる姿はカッコよすぎでした。
そして何よりアメリカのPeriodontistの注目からは外れかけているかのようにみえる歯周病罹患歯保存のこだわりは同じ日本人歯科医としても誇れることだと思います。
二階堂先生はかつてのクラスメートからOh,You’re Speaker!(すげっ、発表するんだね!と聞こえた)といわれていました。やはりAAPで発表するのは光栄なことなのでしょう。
おふたりともさすがに顔が広く、外国人日本人含むかつてのクラスメート、現在アメリカ在住の留学生らが多数自然に集まってきます。お二人のおかげでいろいろなひとたちを紹介いただき、私まで輪が広がりました。おおいに感謝です。
各大学ごとの留学経験者OB会等も開かれたようでした。彼らの結束は非常に強く単に同窓というだけとは話しが違うようです。言葉もよくわからない心細い異国で歯をくいしばるようにして頑張っていた頃お世話になり助けてもらった先輩はきっと命の恩人のようなものでしょう。
2. 親子で学会:谷口威夫先生中村輝夫先生
我が師と仰ぐ谷口先生
日本歯周病学会理事にして日本歯科医師会生涯研修セミナー講師。日本の中でも最もConservativeな臨床家のひとりと目される谷口先生とAAPはどうも結びつかないように思えるのですが、Jr.崇拓先生がペンシルバニア大学留学から昨年卒業帰国され、親子で診療されています。
向こうからかつてのクラスメートであるという外人が「Oh~!TAKA!!Nice to meet you!」なんて駆け寄ってきて抱き合って再会を喜んでいる息子の姿を眼を細めるようにして眺めている谷口先生の横顔。いいな〜と思いました。
火曜会中村輝夫先生
中村先生Jr.は臨床歯科を語る会現須貝実行委員長須貝昭弘先生オフィスに勤務だそうです。今回は親子で一緒に学会、ついでにオプショナルツアーだそうです。こちらもまたうるわしい話です。
父親の背中をみて進路を決めるのは息子ですが、父親自身が直接指導しなくても,その後の進路について的確なアドバイスができるんだなあということがやっとわかりました。何の職業でも2世が有利なのはこんなことにもあるのでしょうか。初代ではそうはいかずどうしていいかわからないで右往左往するうちに歳とってしまうことが普通ですから。
3.Surprising Presentation
今大会一番と私が勝手に認定した報告は大阪大学村上伸也教授でした。
話す英語も素晴らしいものでしたが、内容はもっと驚異的でした。
FGF2と命名しているgrowth Factor 開発の途中経過ですが、根尖近くまであった骨欠損が埋まり厚みまで増しています。
紹介してもらってご本人に確認したのですが、フラップをあけてそのジェルを塗布しただけとのこと。
「私の運がよければ3〜5年中に実用化できる」とのことでした。
もしそうなればPerio.の世界では革命的です。